歯周治療とは?──歯を一生守るために知っておきたい大切なこと──
歯周治療とは、歯を支えている「歯ぐき」「歯根の周りの骨(歯槽骨)」「歯根膜」などの組織に起こる病気=歯周病の進行を止め、再発しにくい環境を整えるための治療です。
歯周病は、日本人が歯を失う最大の原因と言われており、実はとても身近な病気です。
令和4年歯科疾患実態調査では、15歳以上の約47.9%に中等度の歯周病の兆候(4mm以上の歯周ポケット)があることが報告されています。年齢が上がるにつれ罹患率はさらに増加します。
ただし、歯周病には初期症状がほとんどなく、「気づかないうちに進行している」 ことが大きな特徴です。
そのため、痛みが出る頃には中〜重度に進んでいるケースも少なくありません。
しかしご安心ください。
歯周病は「進行すれば怖い病気」ですが、早期に気づいてケアすれば進行を予防できる病気 でもあります。
この記事では、歯周病の基礎知識から治療の流れ、そして“なぜ予防とメンテナンスが一番大切なのか”まで、分かりやすく丁寧に解説いたします。
1. 歯周病とは?──自覚の少ない「静かに進行する感染症」

歯周病は、歯の周囲に溜まったプラーク(細菌のかたまり)が原因で起こる感染症です。
歯と歯ぐきの境目に細菌がたまり、炎症が続くと、歯を支える骨が徐々に溶けていきます。
● 歯周病は大きく2段階に分かれます
① 歯肉炎(軽度)
・歯ぐきに炎症が起き、赤み・腫れ・出血などが見られる状態
・歯を支える骨はまだ溶けていない
・歯ブラシやクリーニングで改善しやすい
② 歯周炎(中〜重度)
・炎症が歯槽骨まで進み、歯周ポケットが深くなる
・歯ぐきが下がり、歯が長く見えたり、食べ物が詰まりやすくなる
・歯の揺れ、噛み合わせの不安定化につながる
・進行すると抜歯が必要になることもある
多くの方が「痛みがないから大丈夫」と思いがちですが、痛みはかなり進行してから出る症状 です。
初期のうちに異変を感じる方はほとんどいません。
歯周病は“静かに進む病気”だからこそ、定期検診での早期発見が何より重要になります。
2. 歯周病を悪化させる主な原因

歯周病の根本原因は「プラーク」ですが、悪化を早める要因も複数あります。
● 主な悪化要因
- 喫煙(非喫煙者よりリスク数倍〜数十倍)
- 歯ぎしり・食いしばり
- 糖尿病
- 乱れた生活習慣
- 不十分な歯磨き
- 加齢
特に喫煙は、歯ぐきの血流を悪くするため、「炎症があっても出血しにくい=悪化に気付きにくい」という特徴があります。
そのため、喫煙者の方はより細かなメンテナンスが重要になります。
3. 歯周治療の流れ

歯周治療は、原因を取り除き、歯ぐきが回復できる環境を整え、再発を予防する治療です。
当院では以下の流れで丁寧に進めてまいります。
① 詳細な検査・診断
まずは、歯周ポケットの深さ、出血の有無、歯の揺れ、骨の状態をレントゲンでしっかり確認します。
・どの程度進んでいるのか
・どの部位が優先的に治療が必要か
・どのくらい治療期間が必要か
などを丁寧に説明し、ご不安のないよう進行状況を共有いたします。
② スケーリング(歯石除去)
プラークが固まった歯石は、歯ブラシでは絶対に取れません。
目に見える範囲の歯石を取り除くだけで、
「歯ぐきが引き締まった」「出血がへった」 と実感されることも多い治療です。
軽度の歯周病では、この段階で大きく改善します。
③ ルートプレーニング(深い歯石取り)
歯ぐきの中の見えない部分に入り込んだ歯石や細菌を丁寧に除去します。
必要に応じて麻酔をして行います。
細菌が付着しにくいように歯根面を滑らかに整え、再発しにくい状態づくりを行います。
④ 再評価(治療後のチェック)
治療の効果がどれくらい出ているかを改めて検査します。
- 歯周ポケットは浅くなったか
- 出血は減ったか
- 揺れは改善したか
改善が確認できたら、メンテナンス(定期検診)へ移行します。
⑤ 歯周外科治療(必要な場合のみ)
重度で深い歯周ポケットが残る場合は、歯ぐきを一時的に開いて直接歯石を取り除く「フラップ手術」を行うことがあります。
また、失われた骨を回復させるための「再生療法」が適応となる場合もあります。
⑥ メンテナンス(最重要)
歯周病は**“治療して終わり”ではありません。**
治療後も、1〜3ヶ月ごとにクリーニング・チェックを受けることで進行を防ぐことができます。
歯周病は生活習慣病に近い側面もあり、
「進行が抑制された状態を保つこと」 が何より大切です。
4. 歯周病が全身に与える影響

最新の研究で、歯周病と全身疾患の関連が明確になってきました。
- 糖尿病
- 心臓病
- 脳梗塞
- 誤嚥性肺炎
- 早産・低体重児出産
歯ぐきの炎症を放置することは、口だけでなく身体全体にリスクを広げる可能性があります。
「口の健康=全身の健康」につながっているという視点は、非常に重要です。
5. 歯周病を防ぐためにできること
歯周病治療の中心となるのは、
- プラークと歯石を取り除くこと
- 正しいセルフケア(歯磨き・補助器具)
- 定期的なメンテナンス
の3つです。
特に、治療後のメンテナンスを継続している方と、していない方では、
5年後・10年後の歯を残せる本数に大きな差が生じると言われます。
6. 三国デュオ歯科がお約束する歯周治療

当院では、
- 丁寧な検査
- 歯を残すための治療計画
- 必要に応じて行うマイクロスコープを活用した歯周外科・再生療法
- 予防・メンテナンスを重視したサポート
を徹底しております。
歯周病治療は「その場だけ治す」ものではなく、
患者様の歯を生涯守るためのパートナーとして寄り添う治療 だと考えています。
「歯ぐきが腫れやすい」
「出血が続く」
「家族に歯周病が多い」
「最近歯が長くなった気がする」
こうした小さな違和感のうちに相談していただくのが、もっとも歯を守る近道です。
7. 最後に──歯周病は“予防できる病気”。放置しなければ怖くありません。
歯周病は、静かに進行するからこそ、気付いた時には不安を感じる方も多い病気です。
ですが、正しい治療と継続的なメンテナンスで、進行を予防し、歯を長く守ることができます。
「なんとなく気になる」
「検診をサボっていた」
そんな状態でもまったく問題ありません。
三国デュオ歯科は、淀川区・阪急三国駅周辺の皆様が、
一生自分の歯で食べられるよう、丁寧にサポートさせていただきます。
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歯周病が気になる方へ
初診相談・クリーニング予約はHP・お電話より受け付けております。
お気軽にご相談ください。
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豊中市からも通いやすい歯医者
『三国デュオ歯科・おとなこども矯正歯科』

